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【中国と共に生きる】胡同に魅せられたフリーライターの多田麻美さん

2015-07-23 人民網日本語版 人民网日文版


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留学や観光に北京を訪れたことのある日本人は数知れず。しかし、日本の横丁や路地裏に当たる北京の「胡同(フートン)」で生活した経験があるという日本人は少ないだろう。今回は庶民の伝統的な住宅街「胡同」に魅了され、そこで10年以上暮らしながら中国人との交流を深め、現在フリーライターとして活躍する多田麻美さん(北京滞在歴15年)をご紹介したい。


胡同の魅力


多田さんは当初、留学で北京を訪れたが、胡同の何かに「取り憑かれ」、胡同で生活を始めて10年以上になる。胡同に漂う生活感、歴史の香り、様々な物語、住民が楽しそうに暮らす様子、そこにいるだけでかきたてられる想像力。「不便はあってもそれを上回るだけの様々な魅力が胡同にはある」と多田さんは語る。


北京は明清の都という誇りがあり、古いものはまだ比較的大事にされているが、民国期の建築物や西洋建築は見落とされがちになっている。そういったものを拾っていくのも多田さんの日常の楽しみであり、今では壁だけ、門だけ、石畳だけが昔のものとなっている建築物を見つけては、それに関心を向け、歴史や街の奥行きを感じる。「古ければいいというわけではないが、古いものが大事にされているとほっとする」。多田さんにとって胡同は尽きることのない楽しみに包まれた空間なのだ。


「胡同を歩く会」


胡同の魅力を再発見する会「胡同を歩く会」という日本人と中国人の交流サークルがある。多田さんの呼びかけで始まった活動だ。毎回担当者を決め、文化財や歴史などジャンルに拘らず、普通の観光地巡りでは見られないような埋もれてしまった場所を、担当者の興味や関心の赴くままに自由に歩くというもの。メンバーも固定ではなく、毎回時間のある、胡同文化に興味のある日本人や中国人が参加する。多田さんの古い友人というある中国人のある参加者は、「一人の中国人として、多田さんの中国文化、建築物に対する取り組みに対して感銘を覚える」と話す。


夫の張全さん

多田さんの「胡同の魅力探し」に欠かせない存在が夫の張全(チャン・チュエン)さんだ。張さんはフリーカメラマンで、もちろん胡同で生まれ育った「胡同通」。「彼女は大の胡同好きで、胡同という共通の趣味を通じ意気投合し、次第に仲良くなった。当時彼女は前門の草廠(ツァオチャン)七条という狭い地元民でも知らないような胡同に住んでおり、それには本当に感動、いや驚きだった」と出合った当初を振り返る。胡同の名前を聞いただけで迷うことなくそこに辿り着くことができる張さんの胡同への精通ぶりも、多田さんが惚れた理由の一つだったようだ。張さんは「胡同は迷路のようなもの。胡同に入ると、中をどう進もうと必ず大通りに抜けることができる。中は入り組んでいて、変化が尽きないように思えるが、必ずどこからか抜け出ることができる。これが胡同の魅力。また、昔は遊ぶものがなかったので、胡同の中でトンボを捕まえたり、小鳥と遊んだりと、その情緒もまた胡同の魅力。今ではマンションに移り住んでしまい、胡同という空間から出てみて初めてそうした風情の素晴らしさや魅力に気づく人も多い」と張さんは語る。


胡同の変化


日本が高度成長期に古いものを数多く壊していったように、ここ数年、北京も発展に伴って胡同の多くが街から姿を消し、張さんが語るような趣を感じる光景も少なくなってしまったようだ。昔から住んでいる人の割合も次第に減少傾向にある。しかし、「新しく来た人たちや外国人、また留学から帰ってきた中国人が胡同の『表現の空間』としての魅力に気づき、チャレンジ精神をもってオシャレなお店や画廊、芸術祭など開いたり、交流の可能性がある場所を作ったりしている。これも面白い変化であり、一概にすべて悪い方に変わっているわけではない」と多田さんは語る。しかしその一方で、昔ながらの歴史を感じる胡同は確実に減ってきているので、失われていくことに対して考えるきっかけがあればと多田さんは考える。「多くの姿が変わってしまったかもしれない。面白くないからといって突き放してしまうのは簡単だが、面白い変化もたくさん起きているし、失われたことでおしまいにするのではなく、失われたからこそ価値が分かるという風になればと思う。そこに関わりつつ、見たり、書いたりしていくことで、いい方向に変わると信じている」。


胡同の未来の姿とは


胡同の未来の姿には「意外と近未来的な面白い希望を抱いている」と多田さん。「今後の高齢化社会や、ゆっくりとした、効率ばかりを求めるのではない社会を思考した時に、胡同は大きな可能性や新しく活かせる価値を秘めている。特に孤独死や高齢者の孤立といった問題を考えた際に、胡同の空間はすごくいいなと思う。私の住んでいる胡同にもおじいちゃんおばあちゃんがいるが、怖いな、寂しいなと思ったときに訪ねてきてくれる。そういう関係ってすごく素敵だなと思う」と、多田さんは胡同という生活空間に秘められた価値に期待を寄せる。



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